この批評(レビュー)は、まだA列車で行こうExpをプレーしたことがない方のために、ゲームの概要と個人的な批評を紹介したものです。購入の参考になさる方は、人によって違った楽しみ方、違った評価があることを理解した上で、お読みください。
A列車で行こうExpは、文字が小さい、路線を確認しにくい、ダイヤを設定しにくい、私有地の概念がないなど、致命的な欠点があります。
文字の小ささは、Windows版のA列車で行こう9をそのまま移植したのが原因と思われます。通常のテレビやゲームのように2・3メートル離れると、もう漢字は読めません。
路線は、各車両を追跡して確認するしかありません。単純な路線なら線路や道路で分かりますが、分岐の多い線路や道路は路線を把握するだけで大変です。A列車で行こう3Dの色分け路線図を知ってしまうと、この不便さはかなりのストレスです。
ダイヤは、列車やバスなどを走らせながら1つずつ設定していきます。各駅の到着時間なども一覧表示されません。複雑な路線やダイヤを組もうと思ったら、とにかく時間と手間がかかります。
私有地という概念がないので、線路を敷き直したり、駅や子会社を建て替える度に、毎回土地まで売却・購入します。建設予定地の土地をあらかじめ買っておくこともできません。
この他にもあまりにも欠点が多く、1つ1つ紹介しきれないため、この批評の下に一覧化しました。この一覧を見るだけで、A列車で行こう3Dが名作であったことが改めて分かります。
もちろん、A列車で行こうExpにも良い点はあります。最大の特徴が街の美しさです。描写の美しさはもちろんのこと、角度や遠近も自在に調整できますし、自ら車を運転して街を眺めることもできます。都市開発を楽しむ作品というよりも、開発後の街並みを楽しむ作品と言えます。
その他に、土地の造成や電力の概念などがありますが、全体的に機能は単純です。初心者向けと思われがちなA列車で行こう3Dの方が、機能や設定が多いです。
A列車で行こうExpは、上級者向けというよりも、マニア向けです。初心者にとっては、丁寧なチュートリアルや体験版があるA列車で行こう3Dの方がおすすめです。シミュレーションゲームとしても、A列車で行こう3Dの方が奥が深いです。
A列車で行こうExpは、造った街を眺めたりドライブするのに向いています。ただ、この点に関しても、人々の生活まで再現されたシティーズ:スカイラインの方が優れていると思います。
- おすすめ度 -
★★★☆☆
A列車で行こうExp(PS4)の方が優れている点
・シナリオ数が多い
・映像が美しい
・色々な距離や角度で街を眺めることができる
・プレイヤー自らの操作で街をドライブできる
・列車や新幹線の種類が多い
・土地の造成が可能
・電力の概念がある
・景気に影響する施設がある
・三角形の子会社がある
A列車で行こう3D(3DS)の方が優れている点
・体験版が配信されている
・文字が読みやすいサイズ
・視点の回転以外は操作性が良い
・丁寧なチュートリアルがある
・都市や登場人物にストーリーがある
・シナリオのクリア条件が様々
・各シナリオに難易度設定がある
・ほぼ全てのシナリオにモデル都市がある
・マップの各地点に地名があり、駅名が自動で設定される
・各シナリオに公共機関利用率という設定がある
・隣町にも名前や都市の規模が設定されている
・色分けされた路線図を確認できる
・ダイヤの設定が分かりやすい
・列車の各駅の到着時間が一覧で見られる
・路面電車がある
・車両をまとめて購入できる
・運行中の列車の車両数を変更できる
・列車の機回りが可能
(Exp+で転車台が追加)
・私有地の概念がある
・駅を別のタイプに改築できる
(A列車で行こうExpはホームの数と長さのみ変更可能)
・駅や資材工場も建設に資材が必要
・資源の積み降ろし範囲を変更できる
・資源の積み降ろし個数を設定できる
・資材工場や資源置場の範囲が色分け表示できる
・資材工場の生産能力に周辺の環境と施設が影響する
・全ての施設が徐々に資材を消費して完成する
・資源の採掘や売買という要素がある
・子会社を建設する前に立地条件のアドバイスを聞ける
・工業と住宅など、建物毎に相性の良し悪しがある
・駅やバス停の情報で周辺地域の発展速度が分かる
・建設完成日や納税日などがカレンダーで確認できる
・子会社に社員の概念がある
・株主優待特典がある
・常にBGMが流れる(Expはほぼ無音)